[大暴落]Vtuber「にじさんじ」運営企業、「ANYCOLOR」の株が暴落したまま上がりそうにない件[予想的中]

この2年間で、Vtuber企業「ANYCOLOR」の株は、すさまじい下がりを見せた。

下が、2022年9月時点での株価。

上場からずっと上がり続け、軽く一株10000円を突破してしまった。

思い返せば、当時はスタートアップとして破格の話題性を誇り、フジテレビの時価総額を超えただの、代表である田角氏の総資産がいきなり1000億を超えただのと、連日ビッグニュースになっていた。

飛ぶ鳥を落とす勢いとは、まさにこのことだろう。

しかし、次の株価を見てほしい。

この記事執筆時点である2024年2月20日の時点のANYCOLORの株価。

株価が3000〜4000をウロウロとしている。

2022年10月から一気に2000円近くまで暴落し、3000円台まで持ち直すも、そこからは上がっては下がりの平行線で、成長が見られない。

実は、私は株価が絶頂である2022年9月の時点で、記事を書いて警鐘を鳴らしていた。

詳しくは上の記事を見ていただきたいが、まとめると、ANYCOLORの株価は今後たやすく大暴落する可能性があるので、一般人が買うべきではないというものだ。

そしてそれは、今も変わっていない。

私の見立てでは、これからANYCOLORの株価が大幅に上がることが考えにくい。

Vtuberバブルの終焉

Vtuberバブルは、終了したと言っていい。

言い換えるならば、エンタメ業界がVtuberがどの程度のポテンシャルを持つのか、という命題に対しての一定の答えを獲得し終えた、ということだ。

現在の2大巨頭であるVtuber事務所、にじさんじとホロライブであるが、この2年間でテレビCMや商品コラボを通して、ネットの垣根を超えた活動を推し進めている。

しかし、それらが両手を上げて成功しているとは言い難い。

やはり、ネット文化に触れていない層はVtuberが一般の場に出てくることで、一種の拒否反応を起こしている。

そもそもVtuberという存在自体を受け付けない人間のほうがこの社会にははるかに多いのだ。

いくら同接数万人といっても、日本人全体1億6千万人から見れば、Vtuberはあまりにもニッチなカルチャーに過ぎないのだ。

現時点でVtuberがメジャーな場に進出し、他の既存のタレントを超える影響力を持つというのは、夢のまた夢だということが、業界人は再確認したことだろう。

つまり、Vtuberがよくわからないからこそ期待が生まれていたのが、理解されるにつれて、その評価も現実的ものに落ち着いてしまう。

もはや、話題性だけで株価を釣り上げることは難しいのだ。

浮き彫りになった不祥事リスク

るしあ騒動でもそうだが、Vtuberは現実のタレントと同様に、もしくはそれ以上に「不祥事」に弱い。

にじさんじEN・Selen Tatsukiさんの契約解除に海外コミュニティで運営への批判渦巻く…ANYCOLORは業績に与える影響は“極めて軽微”と説明(インサイド) - Yahoo!ニュース
2月5日、VTuberグループ「にじさんじ」を運営するANYCOLORは、英語圏向けプロジェクト「NIJISANJI EN」に所属するSelen Tatsukiさんとの契約を解除したと発表しました。

つい最近も、にじさんじENの所属Vtuberに対する契約解除が行われたが、このような契約解除はVtuberの業界では日常茶飯事である。

これまでは単なる「契約解除」で終わったが、上場会社として所属タレントを管理できていない事実は、大きなマイナスとして評価されるだろう。

大々的な商業展開をしているさなかにそのメインとなるタレントが不祥事を起こしたとなれば、株価に与える影響もこの程度では済まないはずだ。

このような目に見える危険性をもつ会社に、機関投資家がこれからも投資したいと考えるだろうか?

答えは否であろう。

話題性を狙って先行利益を得て、株価がつり上がったら一気に引き上げる。これが機関投資家のやり口で、割を食うのはいつも話題性に釣られた一般市民である。

まともになろうとするほど、つまらなくなる

Vtuberの主な収入源は、スーパーチャットだ。

つまり、ファンからの献金だが、これは正直尋常ではない行動だ。

自分のお金を、誰かに貢ぐ。スーパーチャットをしたからといって、なにかリターンがあるかといえば、配信で名前を拾ってくれるぐらいで、客観的に見れば全く不釣り合いな行動だ。

なぜ、こんな異常な行動をするのか。

それは、そのVtuberが異常な存在だからだ。

あおぎり高校という急成長したVtuber事務所があるが、これはかなり「攻めた」内容の動画を戦略的に出し、人気を獲得していった。

これが角の立たない「普通」のVtuberとして売っていたら、すでに飽和しているVtuber市場に食い入ることはできなかったろう。

往々にして爆発的な人気とは、まともなものではなく、尖ったものに対して集まる。

だが、公の場に行くにつれ、だんだんとまともにならざるを得なくなる。

多くの人の目に触れるにつれ、問題のある行動、言動を自重せざるを得なくなる。

すでに社会的立場を得ている顧客の意見を聞かざるを得なくなる。

人気になるには、爆発力を失うということがついてまわる。

Vtuberの話題性の一つである、スーパーチャットの収益がこれからも上がり続けることはもはや期待できないだろう。

まとめ

今回の件から、Vtuberそのものの評価はもとより、それを企業体として運営することは非常に難しいことであるから、一時の話題性につられて何でもかんでも飛びつけばいいというものではない、という教訓が得られるだろう。

ANYCOLORとして考えれば、すでに巨大なハコとなってしまい、タレントのコントロールがしきれない「にじさんじ」のみで展開するよりも、より小さな、あたらしいハコを作り、そこにしっかりとリソースを割き、徹底的に丁寧なサポートをするほうがいいかもしれない。

展開しきったら、「選択と集中」すべき。手に余る部分は切り捨てる。これは鉄則だ。

どちらにせよ、今の時点で株価が上がる理由を探すほうが難しいのだから、わたしたちはこの株には手を出さないほうがいいというのが、私の意見だ。

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